あした葉とは

原産地は八丈島で古くから島民の活力源として親しまれる

あした葉とは
あした葉とは、世界に誇れる日本原産のセリ科の多年草で、「今日摘んでも明日には新しい芽が出る」といわれるほど成長が早く、生命力の強い植物です。セリ科には薬用植物が多くみられますが、あした葉もその一つで、江戸時代には天然痘予防に用いられたり、もっと古くには「不老長寿の妙草」として、秦の始皇帝や漢の武帝が日本までこの妙草を求めて家来を遣わしたという伝説があります。 あした葉
あした葉に含まれる特殊成分

あした葉の根や茎を折ると切り口から出てくるネバネバした黄色の汁は「カルコン」といって、植物ではあした葉にしか含まれない特有な成分です。「カルコン」は、抗菌、抗腫瘍、各種血栓症、狭心症、動脈硬化症など成人病を予防する効果が認められています。また、「クマリン」にも抗菌、抗酸化作用があり、アルツハイマー型痴呆症を予防する効果があるとも言われています。

あした葉の各部位における含有成分量

あした葉と他の野菜との栄養比較

日本食品分析センターで検査されたあした葉の乾燥葉の含有成分表を見てみますと、あした葉にはタンパク質、アミノ酸のほか、ビタミン、ミネラル類などが多く含まれていることがよくわかります。
例えば、他の野菜と比較するとカリウムが非常に多く含まれています。カリウムは安定した血圧の維持を助けることが認められています。
さらに、最近注目されている食物繊維も多く含まれています。食物繊維には腸内の有害物質を吸収し、排便を促して便秘を解消する働きがあります。
その他にもカロチン、ビタミンB群なども多く含まれています。カロチンにはいろいろ種類がありますが、最も大事なのがベータ・カロチンです。

成分表

あした葉の原産地八丈島
八丈島は、東京から南に約290km、伊豆諸島の最南端に位置し、周囲58.91キロメートルのひょうたん型をした島です。東京から飛行機で45分、船旅で約10時間かかります。
あした葉の原産地、八丈島では道路の側や野原などいたるところにあした葉が生えています。
島のホテルや民宿では、新鮮なあした葉を味わうことができます。
おひたし、あえもの、炒め物のほか、てんぷらなどには必ずあした葉が入っています。
八丈島
あした葉をおいしく食べよう

あした葉にはセリ科共通の特徴である独特の苦みがありますが、少し茹でることで緩和されてとても食べやすくなります。
あした葉は野菜として食べてもおいしく、天ぷらやおひたし、油炒め、ゴマ和え、茶わん蒸しなど多彩なメニューが考えられます。
生のあした葉が入手できない時は、粉末や粒状、お茶などの製品でも手軽にあした葉の効能が得られます。

自宅の庭でも育てられるあした葉

自宅の庭にあした葉の苗を植えたり、種をまいて育てられます。あした葉は半日陰で排水のよい土壌が適しています。
八丈島での収穫は一年中可能ですが、11月から5月まではほどんど休みなく新葉をとることができます。

馬場きみ江博士